高松レクチュアーの後、岡山県赤磐市まで大急ぎで移動。メディアで大きな話題の『すし処ひさ田』さんへ行くためです。なにせ、こちらに伺うには金曜、土曜、日曜しか営業せず、カウンター10席のみ、19時一斉スタートというお店ルールに従わねばならないのです。
このお店が話題になったのはやはりアンジャッシュの渡部さんが紹介したからだろうと思います。1人2万円以上しますが全く予約が取れません。この場所にあって、これだけ集客できるとは驚き。赤磐市って行く機会ありますか?しかもお店は住宅街の真ん中。
最近はお料理の写真も撮ることができなくなってしまいました。なのでマキロンの実況中継でお伝えします。最初にお料理が数種類出てきます。モズクやだし巻きなどオーソドックスですがどれもオリジナリティが感じられる品ばかり。かわったところでは最初、豆腐?と思ったら モッツァレラにオリーブオイルを添えたもの。 握りは割と普通のものが多かったという印象。お客は若い方が多く、50歳の社長が最年長?SNSなどの影響でこうなるの?最近の若い方はお金持ちなのねというのが偽らざる気持ちですが、話されている内容から推察するにお医者さんとか自由業の方々のよう。そりゃそうか。
大将は若く、きびきびした動きで調理されるのが印象的。ちなみに左利き。冗談も頻繁に飛び出すし、ネタの産地や器の作者も気軽に教えてくれます。器は備前と思いきや佐賀だそうです。息子さんは京都の日本料理屋さんで修行されているとのことで祇園の緒方さんにお一方いらっしゃるようです。さて、こちらのお料理についてですが、どれも美味しく、一度は行く価値ありかと思います。しかし二度行くかと問われれば立地と料金を勘案して難しいところ。おそらく半分以下のお値段で同じ満足感を得られるお店は無くはないでしょう。長野の菊寿司さんなら料金3分の1以下で大きな満足を得られます。そう考えるとなかなか選択は難しい。メディアで話題のお店が好きでお金のある方はどうぞ。
お次は松江レクチュアーの後でお伺いした皆美館さん。松江の中心部にある旅館の茶寮でお料理をいただきにあがりました。この辺りは一方通行が多く、ナビ通りには進めないのでご注意を。美しいエントランスを過ぎるとカウンターやボックス席がある場所へ通されます。正直言って旅館の茶寮ということで期待は半々。お値段から推測すると、よくある旅館料理かな?
ところが出てくるお料理は洗練系。器も楽しく、どれも美味しく嬉しい誤算。しかもこちらは名物料理がたくさんあって、珍しいものが楽しめます。まず、鰻のしゃくもどき。もどきという名の通り、元々しゃくという鳥を使った料理をしゃくの代わりに食感の似た鰻に置き換えた料理です。牛蒡、なすび、ぎんなんなどと鰻を銀の鍋で煮て食べるお料理。
そしてこちらは鰈の揚げ物。これも骨まで楽しめて美味しいお料理。
そして最後は鯛めし。鯛めしは尾頭付きの焼いた鯛がのっかているのが多いと思いますがこちらは鯛の身や卵がすべてそぼろになっています。これは藩主が柔らかい食べ物を好んだ名残だとか。そしてこちらのお料理を楽しめたもう一つの要素が軽妙洒脱な接客ができるマネージャーさんが居たこと。料理の薦め方とか説明が上手で身のこなしも小気味よい。旅先で美味しいお料理をいただいた喜びを噛みしめた夜でした。