箱根2日目翠松園さんへ。三井家の別荘として知られた文化財、「翠松園」を敷地内にそのまま残して食事処としています。
エントランスは間口が広く、豪壮ですがスタイリッシュで威圧感はありません。エントランスの割に最初に通されるデスクは小規模。というかパブリックスペースは大浴場も含め、それほど大きな規模のものはありません。敷地も広いのですが、特に散策できるわけでもなく文化財の翠松園の周りに宿泊棟を4つ配した造りです。いわゆる、“お籠り旅館”の典型。
部屋は広く、ゆったりとしていてこれまたスタイリッシュ。勿論、源泉かけ流しの露天風呂も備えています。冷蔵庫の飲み物はフリーだし、ドリップマシーンも数十個の飲み物が全てフリー。1拍でそんなに飲めませんが。
ベッドはキングサイズでこれほど大きなベッドを置いているところは見たことありません。寝心地もよかったです。
さてお料理は。いざ、「翠松園」へ。通されたのは2階の個室。出てくるお料理は和懐石。どれも美味しく、筍の土瓶蒸しなど季節感もばっちり。ところが感動には至りません。それは料理の力もですが、施設全体が醸し出す何となく感じるお仕着せ感?翠松園のHPには“日本旅館ならではのあたたかなおもてなしと、ホテルの快適さ現代的な居心地の良さを融合させた「RYOKANスタイル」でお客様をお迎えいたします。”・・・とあるのですが、あたたかなおもてなしとは程遠いような。別に接客に問題があるわけではありませんが、踏み込んだおもてなし感はありません。どちらかというと仕事としてこなしている様子。後半のホテルの快適さ、現代的な居心地の良さは実現しています。足りないのはやはり、人間力?
実は系列のATAMI 海峯楼を利用した時も同じ感想でした。設備は他に類を見ない素晴らしさなのに人が係る部分になると稚拙さを感じます。
箱根翠松園もATAMI 海峯楼も設えの完成度は高いのですが、物足らなさを感じるのです。1泊4万円くらいまでなら仕方ない気もしますが、どちらの施設もお値段はもっとハイグレード。となると野沢温泉の住吉屋さんや同じく長野の三水館さんなんかとどちらがお奨めかと問われれば困ってしまいます。値段3分の1で本物感があります。勿論、宿泊の目的や誰と行くかで評価は変わりますが、経費で行くなら前者、一生懸命働いたお金で行くなら後者となりますかね。