さて台風一過、今日はすっかり快晴となりました。昨日の雨と風が嘘のようです。こんなこともあるんですねぇ。
せっかく三重県に来ているので伊勢神宮へお参りに行きました。昨日の台風にもかかわらず、五十鈴川は穏やかな流れです。レクチュアー成功のお礼とスタッフ、お客様のご健勝をお祈りしました。
お参りの後はおかげ横丁を散策。きれいに整備された町並みは目的無く歩いていても楽しいもの。食べ物屋さんや雑貨屋さん、お土産屋さん・・・何処も見るだけでも楽しめます。
五十鈴川に面したお洒落なカフェで一休み。観光地にあるお店なのにとっても美味しいケーキをいただきました。それもそのはず、ホテルにもケーキを卸していらっしゃるお店でした。
後ろ髪をひかれながら少し早い目に本日の宿へ向かいます。というのもチェックインが2時からなのです。これは案外嬉しいものです。日の高いうちから温泉やパブリック施設を利用できてお得な感じ。
本日の宿は鳥羽にある“御宿The
Earth”さん。前から1度行ってみたいと思っておりました。なにしろ宿のコンセプトが“嵐を観る宿”・・・しびれます。台風のシーズンにぴったり。宿は伊勢志摩国定公園内の半島の突端に位置し、海山とも絶景を楽しめるらしいのです。
いざ行ってみると・・・まずパールロードという鳥羽から志摩へつながる海沿いの道を走ります。鳥羽の展望台の少し手前に専用道路がありますのでそこからが旅の始まり。なんと宿まで5~7分くらい急峻な専用道路を走行します。後から聞いたのですが、この道路の取り付けだけで1年を要したとのこと。
途中から山に埋もれそうな建築物が見えてきます。道路を突き当たるとそこにあったのは不思議な丸い空間。これは車のロータリーでした。でもこの空間だけでも存在感があります。
1歩宿に足を踏み入れると畳廊下や珪藻土、木材など和のテイストを多用した建物であることが分かります。
あらためて宿の立地を見てみると、まさに原生林の中にひっそりと佇むように建っているのですが、海が眼前にあり、リアス式海岸の沿岸がすぐ近くに見えること(正面に海女小屋も見える)、海岸線ぎりぎりに建てられているので海上に居るような錯覚を覚えることなどから非常に力強い景観を味わえます。
今回の部屋はメゾネットタイプをチョイス。1階から見る景色と2階から眺める景色はまた別物であらためて立地が十分に生かされた設計であることに驚かされます。
食事はガラスで囲まれた空間でいただきました。全体が素通しなのでまるで海上に居るかのよう。暮れる太陽と入れ替わりに昇ってくる月が間近に見えます。
そして展望台がありここは海や月が楽しめるスペースです。しかも時期によってこのスペースでおつまみをいただきながらワインやソフトドリンクを楽しめるのです。(無料)
残念ながら今宵は突風が吹くので下のバーで開催となりました。
さて気が付いたことをお伝えするとこの宿は絶景を楽しむのが正しい使い方だと思います。ホスピタリティは悪くはありません。しかし、何となくあか抜けないのです。たぶん、できて間もない宿でスタッフも不慣れな部分や十分でない経験に追いつかない部分があるのでしょう。
一所懸命、対応してくれるので不快には感じませんが歴史ある宿の持つ自然なサービスの提供の仕方というレベルには達していないように思います。これは時を待つしかないのでしょう。
但し、建築物や景色を楽しむという面では貴重な宿と言えるのではないでしょうか。これほどの大自然の中に贅を凝らした宿があること自体奇跡です。それもそのはず、この宿完成には何と14億もの巨費が投じられているのです。しかもかなりタイトな返済計画で。えっ、なんでそんなこと知っているのかですって?
うーん、残念ながらニュースソースは言えません。いわゆる取材源の秘匿でお願いしまーす。
他人事ながらいまどき回収できるのか不安になりますが、オーナーの趣味かも。
それとこの宿の造りはどこかに似ているなぁと思って調べたら前に掲載した“海のしょうげつ”さんと同じ設計事務所でした。ロビーと客室を2フロアでまとめ、メゾネットの客室で広さを確保する・・・。バーの近くに外にせり出したベランダを設けてあるのも同一です。なるほどね。
しかも後述の翌日宿泊する宿も何と同じ設計事務所!
というわけでこの宿は価値観によってお奨め度は変わってきます。一般的な尺度でいうと万人にお奨めとは言えません。でもこの景観は価値有りと言えると思います。なので・・・
御宿The Earthさん
お奨め度 ☆☆☆
特別付録
特段アナウンスはされていませんが、ちょっとお得な情報をお伝えしておきます。この宿の姉妹館に悠季の里というホテルがあります。スタッフに頼めばこちらの大浴場を利用させてもらえます。(車で送迎してもらえます・私が宿泊した日現在)
The Earthのパブリック浴場は狭いので是非、姉妹館のお風呂に行くことをお勧めします。そちらは広く様々なタイプのお風呂を楽しめます。